パンデミック前から不動産価格の高騰で中々いい投資ができない中、従前の区分マンション投資でいいものを探すのが困難な状況が続いていました。
区分マンションもコロナで価格が下がる思いきやますます堅調な動きを見せています。私も従来の対象から戦略を広げて物件を探し、無事一件投資することができました。
それは築年40年を超える建替えを狙った築古マンション投資です。
リスクの高い投資なので余りマネすることはおすすめしませんが、ご参考までに紹介いたします。
Contents
区分価格の高騰によりターゲットが激減
買い替えを行うことが非常に困難に
詳しくは以下の記事でご紹介していますが、中央区の区分マンションを売却した当時の私は買い替え先を血眼になって探していました。
不動産投資体験談④中央区のタワマンを購入・売却【投資失敗?】
どれだけ物件パトロールをしてもまともなものがほとんどない…
コロナ禍の中、正直投資どころではないということもあるのですが、ある程度落ち着いたところで買い替え物件を探しても、値下がりどころか物件も少なくあったとしてもコロナより前に高くなってたりしてます。
これではとても見つかりません。
投資区分マンションのターゲット変更、対象地域拡大と築古区分も対象に
従前の投資対象検索条件
従前の私は原則以下の条件で物件を探していました。全てSUUMOや楽街などのポータルや、各仲介会社のサイトでローラーです。
従前の検索条件
- 都心5区
- 最寄り駅から遠くても10分以内
- 築年20年以内
- 価格概ね1憶円以下
とにかく立地重視です。築年は適当ですが、概ねCFがプラスになりそうな条件で融資がつくところを目安にしていました。
金額も適当ですが1億円を超えると一気に流動性が低くなりそうなのでそういうざっくりとした設定です。
この中で利回りが高いものや、坪単価が安いものを重点的にローラーで探していました。ただ、やはり価格高騰の為、全然見つかりません。
エリア拡大か、築年を妥協するか
困ってしまったので、都心5区からより積極的に23区全体まで対象を広げることを検討しました。
遊びに行ったことのある先や、例えば発展の勢いがあった北千住、南千住なども対象にすることにして物件をさがしました。
また、築年は概ね新しめのものををメインとしていましたので、旧耐震(1981年以前築)のものは対象外としていました。
ただ、ここまで買えないとこういうものも選択肢に入れなければ、と勉強をしていたのです。
そこで見つけたのが”建替えマンション投資”です。
どうせ古いならば、建替えるくらい古いものを探そうと思ったのです。
非常にリスクが高いですが、うまくいけば築古マンションが新築マンションに化ける可能性があるということで、特に都心の築古マンションを中心に探し始めました。
建替え狙いで都心の築古区分マンションを選択
仲介業者から区分マンション投資物件の紹介
色々探していたところかなり密に連絡を取っていた仲介業者からある物件の紹介を受けました。
対象区分マンション基本スペック
- 新宿区の中古マンション
- 地下鉄駅から徒歩約3分、もう一つの地下鉄駅から徒歩7分
- 築40年超
- 約40平米
- 売り出し価格:2400万円
- 空室
※特定を避けるため若干ぼやかしてます
立地は申し分ありませんが、築40年は昔であれば見向きをしなかった物件です。この物件のポイントは建替えについての協議がある程度進んでいるというところです。
また、築年に関わらず中はリフォームしており、完璧ではないにせよかなり状態が良かったのが非常に魅力的でした。
ただし、建替えに協力するデベロッパーは選定されたものの、まだまだ決議にたる賛成者が集まるかは分からない状況でした。ちなみに購入した今もその状況は変わっていません。
やはり親しい仲介業者が不可欠な理由
この建替えが成就しないリスクをどう見るかかなり悩ましかったのですが、仲介業者からの未公開情報で購入を決めました。
きけば一度マンション仕入れ業者から2000万円で成約したものの、コロナもありキャンセルされてしまったとのこと。この水準であれば過去の成約価格の水準よりかなり割安です。
私はその日のうちに2000万円で買付申込書をだしました。そして結果的に成約しました。こういった情報はネットを見るだけでは分からないので、やはり仲介業者とのおつきあいは非常に重要だと再確認しました。
融資は難しい築古区分マンション
やはり築古マンションは融資がつかず、ついても融資期間が10年以内など、正直CF的には余り意味ないのと、中央区マンション売却で戻ってきた資金をそのまま充当し、結局全額自己資金で購入しています。
ノンバンクであればもしかしたら融資がついたかもしれませんが、売り主も売り急いでいる様なのでここで他に取られるよりは確実性を出した方がいいとの判断です。
これは投資手法上は下策の下策ですが、やむなしです。なるべく早く結果を出して資金効率を上げるほかないと思います。
建替え狙いの築古区分マンション投資後、賃貸付けに苦戦
都心で中身がきれいとは言え、やはり賃貸づけは難しい
無事購入に至ったものの、空室で持ち続けるのは得策でなく、すぐ賃貸活動を開始しましたが正直なめてました。都心だから大丈夫だろうと思ったのですが、賃貸が決まりません。
やはり
- 建替えが起こる可能性があるので、定期借家にせざるを得ないこと
- 中身はきれいだが、外観はぼろく訴求力がない
この2点が賃貸成約を妨げてました。いままで比較的新しい都心の区分しか賃貸付けをしてこなかったので、立地が良ければテナントは余裕でつくという考えは甘かったです。
事務所可にしてようやく賃貸付け成功!
結局対応策として、以下の通りの対応を行いました。
賃貸付け対策
- 礼金ゼロ
- 募集家賃の引き下げ
- 事務所可能に(事務所として賃貸できるかは管理規約次第なのでご注意を)
結果、2週間後事務所前提で希望者がでて成約しました!ホッとしました…。
築古区分マンションの投資回収戦略は、未経験の【建替え狙い】
建替えマンション投資のメリットは、安く仕込んで大幅なキャピタルゲインを狙える手法であることです。
逆にデメリットとしては以下の通りです:
建替え区分投資のデメリット
- 建替え実現には持分4/5以上の区分所有者の同意が必要で、同意が進まないまま建物の劣化が進んでしまうリスク
- 建替えの構想が始まってから実際に決議され、建替えが完了するまで非常に長い期間が必要
この2点はリスクを取るにはかなりクリティカルなので、建替え投資が余り浸透していない理由なのだと考えます。
基本は建替え待ち、うまくいかない場合は利回りワンルームマンションとして売却
この物件の基本は建替えが決まればそこでデベロッパーに売却するという戦略です。
建替えがうまく進まなければ幸いいい賃料で借主がついたので、利回りのワンルームマンションとして売却することになります。
その場合は余り儲からないか、若干の損失が出る可能性があるのですが、受け入れます。
建替え狙いの投資はリスクが高いが夢がある
私が旧耐震でもいいと思ってのは、立地が良ければ建替えにより化ける可能性があると思ったからです。
安く購入することができれば建替えになった時にうまくいけばほとんど追加の持ち出しなく築古マンションが新築のマンションに代わることになります。
ざっくり説明すると例えば今回約40㎡のマンションを2000万円で購入したものが、最上のシナリオで40㎡のまま新築と交換になります。
それは余りに理想的すぎても、30㎡の新築マンションと交換になる可能性もあります。新宿区の新築マンション30㎡を2000万円で購入できたことになれば、これはかなり楽しい投資になります。
当然、建替えはうまくいかない可能性もあります。というよりうまくいかない可能性の方が一般的に高いのです。
建替え決議は4/5の賛成が必要ですが、築古マンションの住人の多くは高齢であり、今更新築に建て替えたいという気持ちが余りありません。
むしろ引っ越して新しいのが建つのを待ってまた引っ越しという身体的、心理的負担を嫌います。なので話が進まずマンションが更に古くなっていくというのが通常です。
このリスクをゼロにすることは到底無理な話なので非常にリスクが高い投資と言えます。
また、余り容積率に余裕が無ければ協力してくれるデベロッパーの販売戸数を増やして建て替えることができなくなるので、商業的になりたたないマンションは建替えが極めて困難になります。
所有者が更にお金を出して建て替える以外の選択肢がなくなるからです。
高齢者が更に1000万円を超えるお金を出してマンションを建て替えるというのは通常考えにくいでしょう。
ただ、もし当たれば築古マンションが都心の一等地の新築マンションに化けるという可能性があるので、夢はあります。価格を売り出し価格から大幅に下げられたので、一定程度のリスク軽減にはなっています。
私が投資した物件もどうなるか分かりませんがが、デベロッパーと密に連絡を取りその進展を見守りたいと思います。
過去の区分マンション投資体験談は↓をご参照ください。
不動産投資体験談⑤中央区の築浅中古マンションを購入
不動産投資体験談④中央区のタワマンを購入・売却【投資失敗?】
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