一時老後2000万円問題というのが話題になりました。金融庁が老後までに2000万円を用意できなければ生活が破たんするという趣旨でした。詳細は省きますが、問題は世論その他から大反発があり、この問題をひっこめたという事実だと個人的には思いました。
2000万円なんて貯まらないと怒る気持ちはよくわかります。ただ、怒ったからといって老後資金問題は解決しません。
やはり勤め先の給与での貯金が難しいのであればある程度資産運用を行うべきだと個人的には思います。
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月1万円からでもいいので資産運用のため積立投資していくべき
結論から申し上げると以下の通りです。
- 月々1万円からでもいいので投資に回すべき
- 本来は短期の含み損益は過度に気にしない
- 資産運用の開始は若ければ若いほどいい
資産運用で一番狙うべきは株の大きな値上がりではなく、複利効果
よく資産運用、特に株式投資というと株価が短期間で爆謄して憶り人になったというような話を聞きます。実際それを狙ったトレードをして億万長者になる人もいます。
当然そのような手法がリスクも高いので余剰資金でやる分には夢もあるので問題ないと思いますが、それだけを狙うのは資産運用の観点からは好ましくありません。
資産運用の一番の目的は複利効果を狙うことです。例えば100円投資した場合で年間5%のリターンがあるものに再投資した場合、2年目以降は乗数的に資産が増えていきます(100円×5%のX乗)。
月1万円ずつ投資したら?5年~30年後どうなるか計算してみた
様々なサイトやブログで複利効果のすごさは書かれていますが、改めて月々積立て投資を行うと長期的にどうなるか、検証してみました。
結果は以下の通りになりました。30年にわたって10%のリターンを出すというのは現実的にはありません(出せる人は運用の仕事で億単位の報酬がもらえます)。ただ、例えば米国株式の期待収益率はだいたい3-5%程度であり、これくらいのリターンであれば長期ベースで狙っていけると思います。
もちろん、相場が悪化して下落局面が長期の中では何回かは出てくるので3-5%上がり続けるというのはありえません。
ご覧いただくと1年ではそれほど金額は変わりませんが、長期になればなるほど積立てした場合の資産の時価が大きく投資元本(累計投資額)を上回っているのが見て取れると思います。5%のリターンを出していれば30年後には資産は1.7倍になります。
ポイントは2つあり、まずこれは月1万つみたて投資できた場合です。月2万円のペースで投資できれば当然2倍になります。また、より早い段階でまとまった金額を投資したら30年後はもっと大きな金額まで増えています。つまり若いときに投資した場合より咲く花が大きくなるということです。
これが複利効果です。
(単位:万円) | |||||
資産推移 | 1年 | 5年 | 10年 | 20年 | 30年 |
累計投資額 | 12.0 | 60.0 | 120.0 | 240.0 | 360.0 |
時価(収益率3.0%) | 12.1 | 61.5 | 126.1 | 265.6 | 419.6 |
時価(収益率5.0%) | 12.2 | 64.6 | 139.7 | 328.3 | 582.7 |
時価(収益率10.0%) | 12.3 | 68.0 | 155.3 | 411.0 | 832.3 |
上記は月々1万円を投資しつづけたらどうなるかですが、例えば一括である程度まとまったお金を投資して、リターンを全て再投資した場合はどうなるか計算してみました。
ちょっとハードルが高いですが、単純計算で300~500万円を若いうちにポンとだしておけば30年後の2000万円問題はほぼ解消してしまうということになります。これは荒っぽい計算なのでこうなるとは断言できませんが…。
月1万円の積立投資を笑う人は、30年後に泣く?
月に1万円でもいいので投資にまわすべし
毎月必ず1万円を投資できるとは限りません。たとえば月末に2万円残ったからと言ってそのまま投資に回すべきかというと、その時の貯金額や近い将来必要なお金の有無によって全く変わってきます。
ある程度の貯金ができ、当面の資金用立てが必要なければその余剰資金は少なくとも一部を投資に回すことをお勧めします。
本来は短期の含み損益は過度に気にしない
普通の人の投資妙味は長期投資にあるので、短期間での価格の上下は気にするべきではありません。ただ、せっかく相場に張るなら少しはドキドキ感は欲しいところ。
大部分は長期投資に回し、投資金額の少額の割合をリスク高めの資産に投資して日々の損益を狙っていくのはいいと思います。
資産運用の開始は若ければ若いほどいい
上記の通り毎月1万円投資するだけで20年後、30年後に大きな違いを生みますので、年齢が若ければ若いほど運用を始めるのに適したタイミングになります。例えば70歳であればそこで大掛かりに投資を行うのは余りいい選択肢ではないかもしれません。投資に使うよりは生活の楽しみで消費してしまった方がよっぽど有意義かもしれません。
巷で話題になっているFIREムーブメントも悪くないです。ただ一方で私生活を犠牲にして資産運用を行うのも本末転倒な話でよほど節制と運用が好きでないとおそらく続かないでしょう。
言うは易しですが、やはり余裕のある範囲内でかつ最大限複利効果を利用して若い人は老後に備えるべきかと思います。
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注)投資にはリスクがあり、損失が発生する可能性があります。実際の運用は必ずご自身の判断でおこなってください。当ブログは特定の金融商品をお勧め、勧誘することはありません。