ユニゾホールディングス

ユニゾホールディングスは5月社債は償還、新たな債権者登場の意味

2021年6月2日付のブルームバーグの記事では5月末に満期を迎える社債については無事償還したことが報道されました。

それと共に金融機関の顔ぶれに変化があったことを報じています。

具体的には一部の地銀の姿が消え、代わりにゴールドマンサックスとドイツ証券が債権者の顔ぶれに加わったということです。

馴染みのない方からするとゴールドマンサックスやドイツ証券が融資をしたの?と思うかもしれませんが、恐らく取引形態は融資ではなく金融機関から債権譲渡を受けています。

これは不良債権投資、いわゆるディストレス投資の一種でスペシャルシチュエーション投資ともいわれます。

今はまだ少ないですが、2年後あたりからディストレス投資がまた活発化するかもしれませんので知識として知っておいて損は無いかと思います

ユニゾホールディングスの現況や彼らの狙い等も含めて個人的な意見ですが考察していきたいと思います。

Contents

ユニゾホールディングス社債問題これまでの経緯

ユニゾホールディングスについてはブログで多くの記事を書いてきました。詳しくは以下記事をご確認ください。

ユニゾホールディングスの社債償還は可能か?債務超過問題を考察
ユニゾホールディングスは債務超過?社債償還可能性を試算
ユニゾホールディングス記事【会社更生も辞さない社債権者ARCM?】

ユニゾで結局儲かるのはローンスターと、社債、債権を買い叩いた海外ファンドや外資系金融

ユニゾホールディングスを実質的に買収したのはローンスターです。

2000年代初頭に大暴れした米系の投資ファンドで不良債権や不動産関連を得意としていますが、純粋なPEもできます。一番有名なのは東京スター銀行(旧東京相和銀行)の買収でしょうか。

買収合戦の結果、米系ファンドのローンスターがユニゾ従業員と共に設立したペーパーカンパニーがTOBを行うという、日本初のEBO(Employee Buy Out)案件として2020年7月にユニゾホールディングスの買収は完了し、上場廃止となりました。

ローンスターは買収のハコであるチトセア投資を通して既に多額の資金をユニゾホールディングスから吸い上げ投資回収は恐らく終了し、莫大な利益を得ています。

ユニゾホールディングスが倒産しなければ、ローンスターおよびユニゾホールディングスを攻撃しているものの社債を買い叩いている香港ファンドのARCM(アジア・リサーチ・アンド・キャピタル・マネージメント)も収益を上げるチャンスがあります。

そして今回はゴールドマンサックスとドイツ証券が金融機関の貸付債権を買い取り収益を上げようとしています。

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ユニゾホールディングスの2021年3月末の財務状況

ブルームバーグ記事によると金融機関宛に借入残高推移表が提出されたようです。

記事を基に現在の財務状況を紐解いていきます。

2020年9月の負債状況から試算

直近で手に入れられる決算公告が2020年9月のものなので、それを使って現在(2021年3月末)の負債状況を確認していきます。

2020/9月末資産(百万円)簿価返済2021/3月末
現預金55,035-33,65521,380
売上債権1,91801,918
短期貸付金216,0250216,025
その他10,951010,951
流動資産計283,929-33,655250,274
不動産176,3840176,384
その他有形固定資産6,25606,256
無形固定資産2140214
投資有価証券13,117013,117
その他固定資産2,47702,477
固定資産計198,4480198,448
資産合計482,377-33,655448,722
2020/9月末負債簿価返済2021/3月末
短期借入金800-8000
社債104,000-15,00089,000
長期借入金195,455-17,855177,600
有利子負債計300,255-33,655266,600
その他負債16,869016,869
負債合計317,124-33,655283,469
純資産165,253 165,253

まず、負債サイドですが、社債は2020年に50億円、2021年5月に100億円償還され、残高が890億円になりました。

借入金の返済はブルームバーグの記事によると残高が1776億円まで減少したとのことなので逆算して返済額を出しています。

2021年3月末の有利子負債(借入金+社債)は2666億円になりました。債権者は87から84機関に減り、うち地方銀行は60行になったとあります。

次に資産サイドですが、上記の負債返済は全て現預金から賄ったと仮定して場合の計算になります(実際は不動産売却もしているみたいです)

550億円あった現預金は213億円まで減少します。

これは事業のキャッシュフローを全く考慮していませんので、事業CFがプラスであれば資金繰りに余裕があり、マイナスであればより現預金が少なくなっています。

ちなみにユニゾホールディングスが計画している21年度の経常損益は16億円の赤字、22年度は5億円の赤字だそうです。

これだけでは分かりませんが、事業CFはマイナスの可能性があります。減価償却もあるのでトントンくらいでしょうか。

もう一つ重要な純資産ですが、負債と資産でイコールの変動なので、変化なく1652億円の表面資産超過です。

ただし、チトセア投資宛の短期貸付金2160億円の価値がゼロだとすれば400億円以上の実質債務超過になります。

前にも書きました通り、不動産の含み益が400億円以上かどうかにより実質的に債務超過かどうかが分かります

ユニゾの社債償還行方は?
ユニゾホールディングス記事【会社更生も辞さない社債権者ARCM?】

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ユニゾホールディングス簡易資金繰表を記事を基に作成

事業からのCFを全く考慮しない形でブルームバーグの記事を基にユニゾホールディングスの簡易資金繰表を作成してみました。

単位(億円)2021/5/312021/6/302021/7/312021/8/312021/9/302021/10/312021/11/302021/12/312022/1/31
融資(+)20001200020000120
返済(-)0-133-51-8900000
社債償還(-)-10000000-10000
合計100-13369-890200-1000120
現預金残高448315384298298498398398518

融資という部分はユニゾが要請している各月の融資額です。もちろんこの通りに融資がなされるとは限りません。

現預金残高は7月と8月は記事に金額があったので逆算しました。返済予定も記事をもとに計算しています。

事業CFのプラスマイナスを考慮しなければ計640億円の融資を受けることができれば資金繰り上はそれほど問題なさそうに見えます。

2021年5月は不動産を担保に差し出し少なくとも要請していた200億円のうち、120億円は借りることができたようです。この事実は大きいです。

ただし、もし7月以降の融資が全く実行されなければかなりカツカツの資金繰りです

ユニゾホールディングスの新たな債権者にゴールドマンサックスとドイツ証券が現れた意味

ブルームバーグ記事によると借入先一覧に新たにゴールドマンサックスとドイツ証券が現れたと書いてあります。

これはどういう意味を持つのでしょうか?彼らが新規で融資をしたのでしょうか?

ゴールドマンもドイツ証券も不良債権投資として金融機関から債権を買い取っていると思われる

報道にあるゴールドマンサックス証券の子会社というのは恐らく長らく不良債権投資を行っているゴールドマンサックスリアルティジャパンでしょう。

ドイツ証券は戦略投資部という部署が恐らく投資に関わっているはずです。

両社とも黎明期から日本の不良債権投資に従事しており、多額の収益をあげています(もちろんリーマンショック時には損失も出しているでしょうが)。

少しマニアックな話をすると、厳密的には両者とも合同会社等のSPCを通じて出資を行い、回収は法務省免許のあるサービサー(債権回収会社)に回収委託をしているはずです。

ゴールドマンは確か傘下に港債権回収というサービサー会社を持っているので、そちらに回収委託をしているはずです。もしくは弁護士委託でしょう。

ドイツ証券は私の記憶が正しければ子会社にサービサーは持っていないので、恐らく外部のサービサーか、弁護士に回収を委託しているはずなのでブルームバーグ記事は少し不正確です笑。

反社会的勢力による介入排除のため、貸付債権の回収受託は弁護士しか行ってはいけないところ、弁護士法の特例業務として法務省の認可を受けたサービサー(債権回収会社)が債権の回収を受託できます。

記事によると百五銀行の貸付残高がゼロになり、東北銀、福邦銀、青森銀の3地銀と明治安田生命保険が取引解消とあります。

このうち期限が来て返済を受けていない銀行がゴールドマンサックスかドイツ証券に債権譲渡したのでしょう。

金融機関はユニゾ宛債権を何故ゴールドマンサックスやドイツ証券に譲渡したのか?

では金融機関はなぜこの2社に債権譲渡を行ったのか、理由はいくつかあります。

いずれにしろ金融機関が債権譲渡をおこなうという行為は基本的に取引関係を解消することを意味します。

債権譲渡の理由

  • 不良債権比率を下げるため、貸倒引当金の「無税化」
  • 債権管理コストの削減
  • ユニゾホールディングスが破綻した場合の更なる損失を避けるため

不良債権比率を下げるため、貸倒引当金の「無税化」

まず近年はあまり問題になりませんが、不良債権比率が高い銀行は健全性の疑義が出てくるため、昔はかなり各行神経質に不良債権を処理して比率を下げていました。

実はこちらがより大きい目的になるかもしれませんが、銀行は貸し付けた債権をそのリスクに応じて引当金を計上します。

詳細は後ほど説明しますが、この引当金は税務上損金算入できないので「有税償却」と呼ばれます。

引当後、第三者に売却すると初めて損金算入ができることになるため、「無税償却」ができるようになります。

債権管理コストの削減

銀行の融資先がひとたび返済に疑義が出てくればその度合いに応じて債権を回収することに注力します。

その債権のリスクに応じて通常の営業担当から融資管理や審査と呼ばれる回収専門の部署に担当が変わりますが、収益が上がらない中で回収するのは非常に労力がかかります。

銀行本来の収益はやはり健全な企業に対して営業をして融資をすることになるので、既に金利を受領して収益を上げることができない先に力を注ぐのは余り効率的ではありません。

かさんでしまう回収管理コストを削減する為に思い切って外部に売却することも選択肢になります。

ユニゾホールディングスが破綻した場合の更なる損失を避けるため

これが一番大きな理由でしょう。

回収に懸念があれば損切りをして更なる貸し倒れリスクを避けるというのは当然の行動です。

60以上あった金融機関のうちいくつかがそういう判断をするのは仕方のないことかもしれませんが、横並び体質の銀行の中で見放して債権譲渡をしてしまうところが出てきてしまうということは金融機関の支援体制にはマイナスに働く可能性があるので注意が必要です

ゴールドマンサックス、ドイツ証券ユニゾホールディングス宛債権の投資戦略

では立場を変えてゴールドマンサックスやドイツ証券はどのような狙いで債権を譲り受けたのでしょうか?

記事では百五銀行の残高が24億円あったものがなくなっているとありました。

一方でドイツ証券の残高が28億5500万円とあるので恐らく百五銀行とその他金融機関のいくつかがドイツ証券に債権譲渡をしたのでしょう。

ちなみにゴールドマンサックスは残高3億円とあるのでその他一部の金融機関から債権を譲り受けたものと推察します。

両社とも各行にアプローチしてさらに債権を買い集めているところだと思います。

ゴールドマンは融資機能を持っているので、優良な不動産が残っていればそれを担保にして融資を行うことも可能です。

当然金利は非常に高いです。

ただ、恐らくしばらくは新規融資よりも債権の買い集めに動く気がします。

ゴールドマンサックスやドイツ証券はいくらで金銭債権を購入してどのように収益を上げるつもりなのか?

不良債権投資は1990年の終わりに初めて取引がなされ、以後2000年から2007年くらいまで非常に活発に行われていました。

ゴールドマンもドイツ証券も黎明期からこのビジネスに携わっており多額の収益を出しています。

他の外資系投資家も過去多数参加しており、あのローンスターも得意分野です。

基本的にはメガバンクや地方銀行の融資(債権)を買い叩いて買値以上に回収をして収益を上げるビジネスモデルです。ご覧になった方はピンとくるかもしれませんが、ドラマのハゲタカの初期の話がまさにこれです。

ただし、近年は案件の数も規模も小さくなっていますし、競争が激しいので大きく収益を上げるのは難しくなっているといわれています。

ユニゾホールディングスのような債権買取価格の考え方

いわゆるバルクセール(ユニゾは個別案件かもしれませんが)と呼ばれる不良債権の買取プロセスですが、入札方式で行われます。

基本的には投資収益を上げることができる範囲で入札に勝てるマックス価格を出すというお仕事です

価格の計算は通常将来キャッシュフローを算定し、それを要求するリターンの割引率で現在価値をはじき出すディスカウントキャッシュフロー(DCF)で算出します。

この将来キャッシュフローの見込みは債権に不動産やその他の担保がついているかどうかで大きく変わってきます。

不動産担保付きであれば金額は大きくなりますし、無担保であれば将来キャッシュフローはよりクレジットをみたりするので算定にブレがでて難しくなります。

今回の取引について、対象の債権が不動産担保付きかどうかは判別が難しいのですが、恐らく無担保債権の取引だったのではと推察します。

なぜなら不動産担保がついていれば保全が十分にあり、現時点では債権の価格に折り合いがつかないと考えられるからです。

無担保債権の価格の考え方はまず清算した場合どれくらい回収できて、そこから入札に勝つためにはどれくらいの価格調整にするのかというところで出来上がりの価格を考えていきます。これはあくまで一つの考え方であり、投資会社によってはアプローチが異なることも申し添えておきます。

ただ、清算価値も入札を考えるとアグレッシブに評価します。例えば以前の記事では清算配当率は63.3%程度と試算しましたが、変数を変えてしまうと以下の通りいくらでも操作できます。以下で算出した清算価値は80.4%です。

前回の試算はこちらです→ユニゾホールディングスは債務超過?社債償還可能性を試算

2020/9/30資産(単位:百万円)簿価返済調整清算価値担保提供預金相殺一般債権者へ
現預金55,035-33,65521,3800-21,3800
売上債権1,918-211,897-7701,820
短期貸付金216,025-216,0250000
その他10,951-5,4765,476005,476
流動資産計283,929-255,17728,753-77-21,3807,296
建物87,44817,490104,938-55,003049,935
土地66,67913,33680,015-6,241073,774
信託建物9,2011,84011,0410011,041
信託土地13,0562,61115,6670015,667
その他有形固定資産6,256-3,1283,128003,128
無形固定資産214021400214
投資有価証券13,117-9,1823,935003,935
その他固定資産2,477-2,4770000
固定資産計198,44820,490218,938-61,2440157,694
資産合計482,377-234,687247,690-61,321-21,380164,989
清算費用1.5%-2,475
法人税引当0
退職手当人件費1年-1,000
(A)一般債権者への配当原資     161,515
(単位:百万円)
2020/9/30負債簿価返済2021/3月末担保権者預金相殺一般債権者
短期借入金800-8000000
社債104,000-15,00089,0000089,000
長期借入金195,455-17,855177,600-61,321-21,38094,899
有利子負債計300,255-33,655266,600-61,321-21,380183,899
その他負債16,869016,8690016,869
(B)負債合計317,124-33,655283,469-61,321-21,380200,768
純資産165,253-201,032-35,77900-35,779
(A)一般債権者への配当原資-----161,515
(B)一般債権者総額-----200,768
想定配当率(A÷B)   80.4%

上記は不動産の含み益が簿価の1.2倍、金額にして約352億円あるという前提に変更しています。以前のブログ記事ではダイアモンドの記事を参考に1.15倍にしています。

清算にかかるコストも換価資産の3%から1.5%に減らしています。

保守的に引き当てていた法人税は250億円からゼロ、優先債権となる人件費35億円から10億円にしました。

これだけで想定回収率が20%近くアップします。要は鉛筆なめなめの世界です。

ただもちろんより詳細な会社の財務に関するデューデリジェンス資料があればそれを反映させて精度を上げる必要があります。

最終的な価格付けもシナリオ次第なのですが、今回は一定程度の期中キャッシュフローを受領して清算配当を受領する前提で将来キャッシュフローを引き、現在価値に割引きます。

割引率は以前は15%必須でしたが恐らくそれでは価格が伸びてこないので少し低くしている可能性があります。

CFの計算期間も伸ばすと割引が効きすぎて提示額が安くなってしまうので、早期に回収するシナリオを組みます。

割引率13%
0年後1年後
利息03.0
清算配当080.4
CF合計0.083.4
現在価値73.8

非常に簡易的ではありますが上記の前提で計算すると元本100に対して1年後に清算価値80.4%を回収するシナリオで割引率13%で価格を評価すると100の元本に対して73.8の評価額になります。収益額にすると約9.6です。

外資系は必要なリーターンば高く、割引率を中々いじれないと聞きますので、CFの金額や回収タイミングを調整するのでしょう。

これが正しい評価かと言われれば全く資料が無い中での試算なので、たぶん違います。そもそも前提条件として恐らく債権はまだデフォルトしておらず、「期限の利益」はあるため即回収できる状況にないからです。

無理やりシナリオを作るとしたらここ1年の間に100の元本に対して80.4を一括で支払ってくれれば残債の19.6は免除するといったような交渉をして回収するというシナリオをたててプライシングを行うといったところでしょうか。これをDPO(Discount Pay Off)といいます。

返済原資は現預金、もしくはより詳細の財務内容をみてリファイナンス(借り換え)が可能と判断すれば想定借入可能額を一括支払いで受領するキャッシュフローとして評価します。

実務上は詳細のデューデリジェンス資料を見ながら回収交渉の経過や数値を分析し、現実的なシナリオに落とし込んでキャッシュフローを算定し、債権価格を算出するというプロセスになりますが、一つの価格の出し方として上記を例示しています。

金融機関が額面価格以下の売却を応諾しうる理由

元本残高が100に対して例えば上記の通り73.8で買い取りオファーが来た時、なぜ金融機関は応諾しうるのでしょうか?

これは金融機関が自己査定を行い、債務者区分を分けており、その区分に応じて貸倒引当金を計上するからです。

債務者区分は大きく分けて正常先、要注意先(一部は正常先の範囲内、一部は要管理先)、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先と分類され、破綻先に近づくほど回収見込みはなくなります。

金融機関は担保保全が及ばない無担保の部分をこの債務者区分に応じて引当金計上を行います。

今回の不動産担保付の債権は売却に至らないだろうと申し上げたのは、やはり引当金が余り計上されていないなかで債権売却を行うメリットが余りないからです。

例えば100円の債権に対して100円で買い取るのであれば話は別ですがそれは投資として余り現実的でないでしょう。デフォルトするシナリオが必要です。

無担保債権であれば、各金融機関がユニゾホールディングスをどの債務者区分に設定しているかによって可能性が変わってきます。

正常先であれば余り売却メリットがありません。

恐らく多くの金融機関が要注意先か要管理先と区分しているのではと推察しますが、要管理先だと金融機関によって無担保部分の15~30%程度を引当てます。

まだ破綻懸念先まで債務者区分を下げている金融機関はほとんどいないとは思いますが破綻懸念先だと恐らく70%以上引当てます。

なので無担保部分を30%以上引当てている金融機関であれば73.8%の評価額での買取打診があれば、3.8程度の引当の戻り益がでるのと、償却の無税化ができて管理コストと信用リスクが削減できるとして売却に応じる可能性があるわけです

したがってドイツ証券の債権24億、ゴールドマンの3億はあくまで元本であり投資簿価ではない

以上の理由からドイツ証券は債券残高が約24億円あるものの投資の簿価としてはその7割程度の価値で、20億円くらい回収できたら十分という可能性があります。

ゴールドマンもしかりです。

今後も債権売却が増える可能性

ゴールドマンやドイツ証券の様にいわゆる不良債権投資ビジネスを行っている投資会社は外資日系問わずまだ多数いるため、今後各投資会社がユニゾホールディングスの債権者である金融機関にアプローチを掛けて追加で債権売却が増えていく可能性があります。

特に無担保債権者は売却を判断するかもしれません。

ユニゾホールディングス新たな債権者まとめ

ユニゾホールディングスの行方末を見守ります。

大分長くなってしまいましたが、まとめとしては以下のとおりです:

まとめ

  • ユニゾホールディングスは5月の社債償還は乗り切ったが、以降の借入金返済、11月の社債償還は引き続き注意。今後は金融機関の支援次第
  • ゴールドマンサックスやドイツ証券へ債権譲渡がなされたのは少額であり直接的な影響はまだないが今後両社や他社が債権を買い集める可能性
  • 金融機関の支援を得る上では、いくつかの金融機関がいわゆる不良債権投資家のゴールドマンサックスやドイツ証券に債権譲渡が行われたのはマイナスの影響を与える可能性。他の金融機関も追随して債券売却を相次ぐと更なる危機に陥る可能性

まだまだどうなるか分からないので状況を見守りたいと思います。

-ユニゾホールディングス

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