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コロナで暴落?世界の不動産市況について最新の情報を解説します。

コロナというリスクは近年では例に見ない形でリスクを顕在化させた出来事でした。命に係わることなので当然投資云々どころではなかったところですが、やはり不動産市場にも影響はありました。世界ベースでの不動産市場の状況について、実際に機関投資家にお話している内容の概要をご紹介します。

2020年半ばは苦戦、終わりにかけて回復傾向に

2020年はとにもかくにもコロナに振り回された年でした。不動産投資を行う際は必ず対象物件を直接観に行くことが必要ですが(実地調査、デューデリジェンスといいます)、ロックダウンによりそもそも物件を見に行くことがかなわず、投資家は物件を購入することが叶わず不動産の取引高は激減しました。

2020年半ばはそのような状況を反映し、不動産価格は全般的に若干の下落を見せました。実際問題、資金繰りに困った売り主が投げ売りに近い価格で売却に動いているものもありましたが、リーマンショックに比べると価格の下落幅も投げ売りの数も圧倒的にすくない状況でした。理由はただ一つ、中央金融機関による量的緩和のおかげで市中にお金がじゃぶじゃぶに余り、不動産価格に密接にかかわっている金融機関が売りに走らなかったことに他なりません。リーマンショック(英語ではよくGFC(Global Financial Crisis)と略されます)と決定的に違うのは、リーマンショックの際は金融危機により資産の逆回転がかかり、不動産関連融資の引き上げ、回収の為、不動産の投げ売りが相次ぎそれが不動産価格の下落をまねくという最悪の悪循環が起こっていました。

今回のパンデミックでは株価同様不動産価格もとんでもなく下落する可能性があると当初当初見られていましたが、中央金融機関によるとてつもない規模の量的緩和の金利政策によって価格が下支えされました。これは株価、債券の価格にまずは強く反映されていますが間違いなく不動産価格の下支えにつながっています。不動産価格はパンデミック発生当初予測されていた水準よりもずっと高いところに位置しています。ただし価格の感応度でいうと株価には遠く及びません。この記事を書いている現在日経委平均は28464円でバブル崩壊前につけた最高値には及びませんが3万円にもう少しで届きそうな状況でバブル期のピークに次ぐ記録的な水準にあります。一方Jリートを見てみると東証リート指数はパンデミック直前につけた高値2250円に対して1800円台(2021年2月初旬現在)とまだまだ戻りは足りない状況です。やはりオフィスの考え方や商業施設に投資家が懸念を持っていることがわかります。

物件の種類によってパフォーマンスに格差が

興味深いこと2020年は地域によるパフォーマンス格差よりも、物件タイプによってパフォーマンスに開きがあります。
まず、代表的に苦戦しているのは商業施設です。日本は時短営業があるとは言えまだマシな方で欧米ではより強力なロックダウンが行われショッピングモールのテナントとして入居している小売業者は家賃の支払いができない状況でした。これがモロに不動産価格に響いており、きょうび積極的に商業施設に投資する投資家はほとんど見られません。もともとパンデミック以前からAmazonなどのEコマースに押され実店舗は苦戦を強いられていました。それがコロナによりさらに苦境にあるということで本当にかわいそうな物件タイプです。

商業施設と同様に大苦戦しているのがホテルです。元々欧米でも日本でも供給過多気味だったところでコロナによりさらに苦戦。観光でもビジネスでもロックダウンにより過去に類をみない低稼働が続いています。Jリートをみていてもホテルは軒並み大苦戦で苦肉の策でとんでもない措置をとったJリートがありました。また別の機会にご紹介したいと思います。新規のホテル投資には融資が付かない状況にあり、これも市場に冷や水を浴びせています。逆張り投資ができない状況というのは回復の勢いをそぐことになります。ただ、コロナが落ち着けばまたよくなることは見えているので全額自己資金で投資できる投資家が、かなり安く買いたたくことを虎視眈々と狙っている状況でもあります。

それとは対照的に絶好調なのが物流施設です。もともとネットショッピングの台頭により商品を消費者に届けるため、物流施設のニーズが爆増、欧米、アジアどの地域もウハウハの状態が続いております。不動産ファンドも成長ストーリーをお金の出し手の投資家に説明しやすいこともあり、コロナ下においても飛ぶように物流施設が売れており、過熱気味です。ただ、今のところテナントの需要が引き続き強く、しばらくこの状況が続くとみられています。

オフィスについては今後大きくその在り方が変わってしまう可能性があり、投資家は非常に慎重です。日本でもほぼ空室無しの状況だったのがじわじわと退去が続き空室率が増えています。特に渋谷では空室が目立ち始めました。これは渋谷がIT企業が集まっており比較的リモートワークに対応可能であることが原因とみられています。ただ、日本は全般的にはオフィスに出勤させる企業が大部分であり、従業員もそれを望む人が多いといわれており他の地域と比べるとオフィスの見通しは幾分かマシといわれています。こんな中で出勤を強いてくる上司がいたら私なら訴訟を起こしますけどね。。。

住宅は一般的に市場が混乱しているときは他と比較して安定的な動きをするといわれています。したがってパフォーマンスも物流施設に次ぐリターンを出しています。ただ、例えば米国ではオフィスの動きと合わさって都市部に住む人たちが郊外に流れていくトレンドが少し出てきている様です。コロナの収束とともに人々が都心に戻るか、郊外に居続けるかはまだ読めません。

もうひとつ上記以外のニッチなセクターに注目がいっています。代表的なの物件は研究施設とデータセンターです。ひと昔前はマニアックで余り注目がいっていないような物件種類でしたが、コロナの中でしっかりテナント付けができ、賃料も支払われるという実績があり、注目度がさらに上がっている状況です。今後ますます増えていくでしょう。

見通し:コロナの収束次第も見通しはポジティブ

結局はコロナ次第

これからの市場はどう動くか。一番簡単な答えはコロナ次第なのでわからない、ということになります。コロナが落ち着かなければ物件調査を行うことはできないため、取引高は引き続き低迷し物件価格の回復も鈍いものになるでしょう。

引き続き物件種類によりパフォーマンス格差が続く

上述の通り、物流施設の一人勝ち、商業施設とホテルの大苦戦が予想されます。また、研究施設やデータセンター、メディカルオフィス等の市場シェアが年々高くなっていくでしょう。住宅は押さえとして引き続き貴重な逃避先であるとみています。オフィスについてはまだどうなるか分かりません。半分以上の人たちがパンデミックが収束したらみんな都心に帰ってきてオフィスのニーズが復活するとみています。日本では特にそれが顕著だといえます。海外は雲行きが若干怪しいかな。。。と欧米にいるチームと話をしています。オフィスという機能は全くゼロになることはありませんが、来客が来たときのみに仕様するとか、そういった限定された使い方になる可能性があります。

不動産の基礎知識についてはこちらをご参照ください。
外資系金融機関勤務サボリーマンがご説明、不動産投資の知識(基礎知識編)

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