マンション投資成功への第一歩は、割安な物件を見つけることですが、マンションの割安度は利回りだけで測ることはできません。必ず「坪単価」に着目する必要があると考えます。なぜ利回りだけでなく坪単価をより重視する必要があるのかを解説していきます。
Contents
なぜマンション投資は坪単価に着目すべきなのか
坪単価が利回りよりも重要な理由
極端な例ですが、以下の2つの物件を比較してみてください。二つとも同一棟内、同じ向きと間取りです。
物件比較
条件:都心5区最寄り駅から徒歩7分、築13年、30平米
物件①表面利回り5.1%、売出価格3500万円、坪単価385.7万円
物件②表面利回り4.3%、売出価格3000万円、坪単価330.6万円
この場合私なら物件②を選びます。
物件①の月額賃料収入は3500万円×5.1%÷12=14万8750円です。
物件②の月額賃料収入は3000万円×4.3%÷12=10万7500円です。
都心とは言え築13年30平米で15万円近く払うのはちょっと勇気がいります。同じ物件内の賃貸をみて同水準であれば納得できますが、そうでなければかなり高い賃料で貸せたので売却価格も吹っ掛けてきてる可能性があります。
物件②の賃料は今の相場だとちょっと安いかなといったところでしょうか。もし他の物件賃料と比べて低ければ今の賃借人が退去すれば利回りを一気に上げるチャンスになります。
上記の例では二つ並べれば絶対額だけ見てどちらが安いか一目瞭然ですが、どのような指標を見てどれが割安かを判断するのは坪単価が一番重要です。
坪単価で並べれば他の条件を照らし合わせて割安、割高要因をみることがかなりの程度可能になります。
マンションの坪単価の計算方法(平米単価でもOK)
平米単価から坪単価へ換算
計算方法は以下の通りです。
坪単価計算方法
- 広さ:30平米
- 価格:3000万円
- ㎡単価:3000万円÷30=100万円/㎡
- 坪単価:100万円/㎡÷0.3025=330.6万円/坪 (100万円×3.3057でも大体同じです)
マンション坪単価を決定づける要因は
坪単価で格差がでる要因は主に以下の通りです。
坪単価を決定づける要因
- 立地の良さ
- 物件のスペック(築年、クオリティ、ブランド等)
- 向きと広さ
立地
まずは立地により大枠坪単価が決定します。例えば都心3区と東京都外では価格水準が違うのは想像がつくと思います。また、同様な地域内でも最寄り駅からの距離や周辺環境によっても坪単価は変わってきます。
物件のスペック(築年、クオリティ、ブランド等)
築年や建物のクオリティは特に坪単価に影響を与えます。
同じ様な立地でも築50年と新築の値段が違うのは想像がつくかと思います。クオリティも投資用マンションと分譲マンションでは設備の質が違うのでこれももろに坪単価に現れます。
また、分譲マンションの場合はデベロッパーのブランドが大きく坪単価に影響します。
例えば三菱地所レジデンスのパークハウスグランや、三井不動産のパークマンション、パークコートシリーズは同じ地域内の他のマンションと比べても坪単価が頭ひとつとびぬける感じです。
向きと広さ
向きについては新築分譲時に価格差が付いており、中古で購入する場合もそれが反映されます。
やはり南向き、南東が好まれ、西向きはちょっと。。。となり、北向きは一番安いといわれるのが一般的です。
ただ、都内であれば隣にどのような建物があるかで日当たりも変わってきますし、タワーマンションであれば北向きは余りデメリットになりません。
同じ坪単価であれば広くなればなるほど価格が高くなります。同じ物件であればそうなってもおかしくないのですが、坪単価の変動はマンションのタイプによって違ってきます。
投資用マンションだと一般的には広くなりすぎると若干坪単価が低くなります。
これは投資用で購入する場合は絶対額が大きくなると売りづらくなるからです。
また、投資用マンションのスペックだとある程度の広さまでくると賃料が上げどまってしまいますので利回りの悪化にもつながります。
なので投資用マンションは効率性の観点から比較的ワンルームが多いのです。
興味深いことにこれが都心の分譲マンションだと広ければ広いと坪単価が上がる傾向があります。特に港区等の新築~築浅マンションで50㎡のマンションの坪単価と100㎡のマンションは明らかに100㎡の方が坪単価が高くなります。やはり広いマンションは実需でのニーズが高く、特に都心ではプレミアムが乗っかる傾向があります。
マンションの坪単価は地域間、地域内、(できれば)同棟内で比較し割安な物件を見つけるべき
まずは地域間で比較
まず、都内と都外ではかなり価格に格差があります。また、同じ都内でも都心5区とそれ以外でも格差があります。
ただし、地域間を比べて格差で割安、割高は直接測れません。
ただし唯一あるとしたら、例えば都心へのアクセス具合、周辺環境が似通った2つの地域で坪単価に格差がある場合、その差が将来埋まる可能性があるので、坪単価が安い地域を選択して物件を探すという手はあります。
同じ地域内
同じ地域内の立地(特に隣地などだとなおよし)で坪単価に格差があれば片方が割安の可能性があります。
ただし、似た立地でも例えば築年数、クオリティ(分譲仕様か投資用か)、ブランドでその差は正当化される可能性があるので物件スペックを比較する必要があります。
同じ棟内の成約単価と比較できればベスト
同じ棟内で坪単価を比較できれば割安度を測るのに最適です。ただし、階層、向き、間取りをよく見る必要があります。
例えば向きを確認して現地を見に行き眺望を確認します。内覧できる場合は当然します。
また、間取りが特殊だったりすると坪単価の格差の要因になりますのでその場合は割安と判断できない場合があります。
物件内で坪単価を比較する際の注意点(特にタワマン)
同じ棟内で仮に割安に見えても実はそうでないかもしれないものもあります。代表的なのはタワマンです。
タワマンカーストという都市伝説が本当に存在するのかは知りませんが(私は2件タワマンに住んだことがありますがその時はありませんでした)やはり高層階は眺望が良い分坪単価が高いです。
低層階との差は結構あります。
例えば低層階で売りに出ている物件が同じ間取りの高層階で売りに出ているものと比べて安くても早とちりしないように注意してください。
今は色々なサイトで売り出し価格の履歴が見れるので、そこで同じ様な広さの同じ階層での売り出し価格と比較することをお勧めします。そこで見て割安なら買いです。
私も昔そうでしたが、別に低層階でもいいじゃん、安いなら絶対買いだろ、という意見もあります。
これは自分が住む上で眺望を余り重視しないのであればいい買い物になるかもしれません。ただし、投資の観点からは階層による価格格差はあるという前提条件で物件を見比べる必要があります。
その金額で取引されているということは、大部分の人たちはタワマンの高低層の格差ありきで物件を見ていることになるからです。
割安で購入できれば利益を上げる選択肢が大きく広がる
割安の坪単価で購入できるなら利回りが少し低くてもOK
坪単価でみて割安であれば、購入時点の利回りは低くてもOKです。まず、その賃借人が抜ければ適正家賃で貸し出し、利回りアップで挽回できるからです。分譲型であれば賃借人が退去した段階で実需で売却することもできます。
割安でマンション購入ができれば収益を確定させる選択肢が一気に広がります。いかに”仕入れ”が大事なのかがわかると思います。
マンション坪単価を理解してやっとスタートライン。結局割安な物件には投資家が殺到する
この情報で他のライバル投資家に先んじて投資ができるわけではありません。ある程度経験のある投資家であれば当然に意識しているところです。
逆にいうとうまい具合に割高な賃料で貸せた物件を高利回り物件だと見せかけて余り経験の無い投資家に売りつけることもあり得ます。
その様な物件をつかまない為にも知識武装が必要で、坪単価は必要最低限の知識です。
当然坪単価を見て割安な物件は投資家が殺到します。重要なのは情報がでてきたときにそれが割安だと判断して素早く動ける知識を蓄えておくことです。気になる地域や物件を定点観測して情報をウォッチすることをお勧めします。
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